就職する意欲があっても、職歴なしだと何から始めたら良いのかわからず、なかなか行動に移せないかもしれません。
そこで、職歴以外に人事担当がどこを見ているのか、履歴書はどのように書けば良いのかを解説!
職歴なしでも就職活動は成功できる
結論から言うと、職歴なしでも非正規はもちろん、正社員としての就職も可能です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果では、2012年よりも2017年の方が、在学中を除く無業者の割合が減少し、正社員の割合が上昇しています。
有業・無業の状況(15-34 歳・在学中を除く)
- 2017年有業者:85.5%(正社員:61.9%、非典型雇用:20.8%)
- 2012年有業者:82.0%(正社員:56.1%、非典型雇用:23.3%)
- 2017年無業者:14.5%(求職者:4.5%、非求職無業者:3.1%)
- 2012年無業者:18.0%(求職者:6.2%、非求職無業者:3.0%)
引用:https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2019/217.html
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③―平成29年版「就業構造基本調査」より―
また、一般的には職歴に入らないフリーター(アルバイト)からの正社員化も十分可能です。同機構の調査結果では、フリーターから正社員への就職活動に成功した割合が示されています。
フリーターから正社員化への状況2016年(25-29 歳層 単位:%)
(正社員試み:正社員になろうとした割合、正社員化:うち正社員になれた割合)男性
正社員試み:77.4%
正社員化:61.9%女性
正社員試み:66.0%
正社員化:40.8%引用:https://www.jil.go.jp/press/documents/20171020.pdf
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 記者発表「第4回若者のワークスタイル調査」
しかし、職歴なしの期間が長いほど、就職活動は困難な傾向です。同機構の大阪に限定した分析では、フリーター機関が1年以内の正社員化が約65%に対し、5年以上になると20%にまで下落しているのです。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構【大阪市の若者の就業行動と意識の文化「第4回若者のワークスタイル調査」から】
フリーター期間が長くなれば年齢が上昇することも、正社員化率下落に関係していると考えられます。
職歴なしの長期間化と年齢の上昇は、就職活動を困難にする要因と言えるでしょう。職歴なしでも就職は充分可能ですが、「正社員になりたい」という気持ちがあるなら、今すぐ行動を起こすべきです。
職歴以外に人事担当が見ているポイント
採用の人事担当者は履歴書や面接で、職歴以外も重要な情報として見ています。職歴で強くアピールできない分、他の項目で自分を売り込みましょう。
職歴以外に人事担当が見ているポイントを解説します。
志望動機
人事担当者にとって、志望動機は重要な項目です。なぜならば、どれだけ自社を理解し、どのような熱意を持って入社を希望しているのかを知ることで、就職のミスマッチが防げるからです。
能力的には充分でも、いざ入社したら不満だらけですぐ辞めていった…なんてことになったら大変です。人事採用と人材育成のために、企業はたくさんの経費をかけているのです。
職歴なしだからこそ、就職希望先企業をじっくり調べて、人事担当が納得かつ感心する志望動機を考えましょう。「この人なら長く意欲的に働いて会社に貢献してくれるだろう」と思わせるのです。
自己PR
志望動機とは違い、自己PRは純粋に「どのような性格なのか」「どんな考えを持っているのか」を人事担当は見ています。同時に自己PRで話題を広げつつ、臨機応変な対応力や人柄もチェックしています。
そのため、自己PRは自分としっかり向き合い、長所と短所を把握しておくことが重要です。
自ら短所を暴露する必要はありませんが、面接時で質問をされた際、思ってもいない嘘をつくのではなく、短所も認めつつ、その上でどのように改善するのか、謙虚に学び努力する姿勢を見せましょう。
もちろん、自信を持って長所をアピールするのも重要です。
最低限のマナー
職歴なしでも、学生気分で就職活動をするのはNGです。これから社会人として働くのですから、最低限のマナーは必須。
人事担当は履歴書の文章や面接時の言葉遣い、動作などで、以下のような社会人として当然のマナーや一般常識が身についているかも見ています。
- 敬語や謙譲語など、言葉遣いが適切か
- 面接時のマナーを習得しているか
- 目上の人への振る舞いを正しく行えるか
気を付けていても、時にはマナーを間違えることもあるでしょう。大事なのは、就職活動のためにマナー習得の勉強や努力をすることです。
職歴がなくても、社会人として必要なマナーを調べて勉強し身に付けていれば、仕事でも能動的に行動し、勤勉に取り組んで成果を出してくれる人材として見てもらえ、評価を高められるでしょう。
面接の受け答え
当然ですが、面接の受け答えも細かくチェックしています。と言っても、必ずしも正しい受け答えを必要としているとは限りません。
人事担当は受け答えで以下の点を見ています。
- 面接まで情報収集を含めどれほど準備をしていたか
- 突発的な問いにも素早く思考を展開して応えられるか
- 自分の考えをわかりやすく主張できるか
- 人としての善意や気遣いができるか
面接とは、能力や人柄などを総合的に見る場です。企業にとっては能力も大切ですが、職場の人と良好な関係を築ける人柄も同じくらい重要視しています。だからこそ、努力と準備が重要なのです。上っ面の答えでは見透かされてしまいます。
素直さ
職歴なしで特に重要なのは素直さです。経験が乏しいのは弱点ですが、逆を言えばどこの企業にも染まらないまっさらな状態は強みになります。
「前の会社ではこうだったのに」という固定概念がないため、企業は教育しやすいのです。屁理屈の多い頑固な職歴ありより、素直で頑張り屋な職歴なしを好む企業も少なくありません。
履歴書や面接では、素直さを最大限表現していきましょう。
「わからないことが多くご迷惑かけるかもしれませんが、一生懸命頑張って努力します!」と、キラキラの笑顔でアピールするのです。面接時は相手の話をよく聞き、問いに対して素直に答えましょう。あなたの好感度は一気に高まります。
職歴なしの履歴書の書き方
「職歴なしだと、履歴書に書くことがない!」と思うかもしれません。しかし、履歴書には職歴以外にもアピールできる項目がたくさんあります。
人事担当が見ているポイントを理解して、あなたのすばらしさを上手に表現するのがポイントです。具体的な書き方について解説していきましょう。
アルバイト経験を書く場合
2020年から同一労働同一賃金ガイドラインが示され、雇用形態ではなく仕事内容への注目度が高まっています。
一般的にアルバイトは職歴にあたらないと言われますが、仕事内容やアルバイト年数によっては、職歴に同等なアピールポイントになります。
以下の点に注意しながら、学歴・職歴欄にアルバイト内容を記載しましょう。
- 雇用形態がアルバイトであることを明記する
- アルバイト開始年月、アルバイト先名(会社名)、所属部署、簡単な仕事内容を書く
- アルバイト退職歴がある場合、下の行に退社年月、退職理由を書く
職務経歴や自己PRへの活用もできます。雇用形態はアルバイトでも、責任感を持って日々勉強しながら取り組んでいたならば、堂々とアピールしましょう。
アルバイト経験を書かない場合
アルバイト経験がない、あるいは短い期間などで職歴として記載する内容ではない場合、学歴・職歴欄には「職歴なし」と記載します。
人事担当者は「なぜ職歴がないのか」と疑問と不安を抱くため、職歴以外でどれだけ自分をプレゼンできるかがカギになります。
職歴なしの場合、以下の点を心掛けて履歴書を書きましょう。
- 人事担当者が納得できる職歴なしの理由を書く
- 自己分析を行いながら、働く意欲の強さをアピールする
- 企業情報をしっかり集めて応募する理由付けを明確にする
- 就職のために努力していることを書く
既卒枠を狙うのも良いでしょう。既卒とは学校(高校、専門学校、短大、大学等)を卒業してから正社員になったことがない人を指します。
既卒枠は若いほど就職率が高い傾向ですが、30代でも募集している企業はありますので調べてみましょう。
職歴なしでも就職成功させる4つの方法
情報収集と着実な準備が、職歴なしの就職を成功させる秘訣です。具体的に何をすれば良いのか、詳しく解説します。
① 就職支援サービスを活用する
就職したい気持ちはあるけど、何から始めれば良いのかわからないならば、就職支援サービスを活用しましょう。
就職支援サービスとは、仕事の紹介だけではなく、就職の相談や就労体験、マナー訓練など、就職までを総合的に支援するサービス期間です。
地域若者サポートステーション
厚生労働省管轄の就職支援サービスで各都道府県に設置。働く悩みを抱える15~49歳までが対象。キャリアコンサルタントによる専門的な相談、コミュニケーションやスキルアップ訓練などを行っています。
ハローワーク
就職困難者が中心の就職支援サービスです。仕事のマッチングの他、就職訓練も行っています。特に就職を目指すフリーターの支援に力を入れており、担当を付けて就職、就業後の定着までマンツーマンの体制をとっています。
ジョブカフェ
都道府県主体の若者就職支援です。ハローワークに併設しているケースもあります。就職セミナーや職場体験、カウンセリングや総合的な相談等のサービスを受けられます。保護者に向けたセミナーもあります。
民間就職支援サービス
その他、民間による就職支援サービスがあります。「ハタラクティブ」「DYM就職」「JAIC」などが挙げられます。それぞれ対象年齢や取り扱っている職種に特色があるので、あなたに合った就職支援サービスを選ぶことが大切です。
おすすめ就職支援サービス3社!
第1位:ウズキャリ既卒
厳しい審査基準からブラック企業を除外
既卒就職に強い圧倒的No.1就活サイト
第2位:DYM就職
一部上場企業からベンチャー企業まで
2,000社から書類選考なしで面接に進める
第3位:JAIC(ジェイック)
書類選考なしで面接に進める
ブラック企業も徹底除外対応
② 志望動機・自己PRを磨く
履歴書で人事担当者の目に留まるような志望動機や自己PRも重要です。何となくではなく、就職希望先の情報を集めて、自己分析をしながら内容を濃くしましょう。
企業側が志望動機と自己PRを求めるのは、以下のような理由があります。
- どれほどの熱意で自社を選んだのか知りたい
- 会社の方針や社風と合うか知りたい
- どのような能力があるかを知り、仕事にどう活かせるのかを考えたい
雇うからには、長く働いて企業に貢献してもらいたいと考えます。と言っても、一方的に企業の利益を優先するわけではありません。
人材が快適に働けてこそ、長く働き、意欲を持って会社に貢献してくれると考えます。ウィンウィンの関係を望んでいるのです。
就職活動する際には、あなたも「どこでもいいから雇ってほしい」ではなく、やる気を持って働く職場を選ぶことが重要です。そのために情報収集をすれば、結果的に内容の濃い志望動機や自己PRを作成できるでしょう。
もちろん、自分の利益を優先するのではなく、就職する企業とウィンウィンの関係を意識するのが大切です。それを踏まえて、志望動機と自己PRは以下の点を心掛けましょう。
- なぜその企業なのか具体的な理由を考えてアピールする
- 自分の能力をどのように活かせるかプレゼンテーションする
- 入社後のビジョンを明確にして訴える
志望動機や自己PRの材料が見つからない場合、前述した就職支援サービス等を利用してスキルアップを図りましょう。自分の売りを強く意識することが、志望動機と自己PRの充実につながります。
③ 模擬面談、模擬面接をする
書類選考を通過した後に待っているのは面接です。頭でシミュレーションをしても、実際にその場に立つと、想像以上に緊張して力を出せないかもしれません。
場慣れするためにも、模擬面談や模擬面接を繰り返し行いましょう。模擬面接を繰り返すと、以下の効果が期待できます。
- 本番の緊張を和らげる
- 想定外の質問にも冷静に対処できる
- 自分考えを一貫して伝えるスキルが磨かれる
模擬面談や模擬面接は、友人や家族などが面接官役を行います。会話のキャッチボールが生まれるので、自然と多くのシチュエーションが生まれ、臨機応変な対応力が身につくのがメリットです。
模擬面接をする場合、できる限り実際の面接と同じような環境を作ると良いでしょう。また、面接官役には評価チェックシートを渡し、あなたの面接態度や発言に得点をつけてもらうのも重要です。
ただ行うのではなく、振り返って問題点を見つけて修正することで、面接の成功率が上がります。模擬面談や模擬面接の詳しいやり方は、本を購入するのもおすすめです。
④ 応募する企業を増やす
就職活動は簡単ではありません。有名大学の新卒でも「何十社も受けて、そして落とされた」という人はたくさんいます。「職歴なしからの就職は、困難を極めるのが当然」くらいの心構えが丁度良いでしょう。
就職活動の準備が整ったら、どんどん応募していきましょう。履歴書を100枚準備する覚悟で、就職を希望する企業にアプローチするのです。
経験はスキルを磨きます。仮に落ちたとしても、就職活動の経験として積み重なり、次に活かすことができるのです。
とにかく、行動を起こさなければ何も始まりません。就職活動中は辛い経験もするでしょうが、上手くいかなければその原因を考えて分析し、次に活かしましょう。
思考を働かせながら経験を積めば、必ず成功の糧となるでしょう。
まとめ
「就職したい」「正社員になりたい」と思ったときが、就職活動を始めるタイミングです。先延ばしにするメリットは一つもありません。
就職する意欲があるなら、今すぐ行動を起こしましょう。まずは情報収集です。就職支援サービスに問い合わせをしたり、実際に足を運んだりするのも良いでしょう。
職歴なしのあなたにとって、就職活動は未知の世界でしょう。失敗も成功も、全ての経験はあなたの財産になります。勇気を持って一歩踏み出してくださいね。
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