働くのが怖いと、働きたい気持ちがあっても、なかなか行動を起こせないものです。
漠然とした不安と恐怖心を抱えたままでは、あなたに合った仕事を探すのも難しいでしょう。
『働くのが怖い』と感じる方は多い
「働くのが怖いなんて情けない…」「怖くて就職活動できないなんて自分だけだろう…」と思っていませんか?
働くのが怖いと感じる人は、あなたが思っている以上に多くいるものです。
まずは、どんな人が働くことへの不安を感じやすいのかを解説します。
新卒入社の学生
これから社会人になる新卒入社の学生は、「働くのが怖いなぁ」と思っている人は少なくありません。
未知なる社会に不安や恐怖を感じるのは自然なこと。皆口に出さないだけで、学生時代が終わり、これからは責任のある社会人ことを、多かれ少なかれ怖いと感じています。
しかし、同じ位希望に満ち溢れているはず。新卒入社の新生活は、不安と期待のせめぎ合いです。
既卒/フリーター/ニートの方
正社員として働いた経験がない人も、「就職できるだろうか」と、不安と恐怖を抱えています。新卒入社の学生同様、自分が経験したことのない世界に、漠然とした怖さがあるのです。
卒業後から時間がたてばたつほど、働くのが怖い思いは強まります。
それでも、1つの職場で長期間アルバイトやパートをしていれば、仕事をやり遂げている自分への自信があるでしょう。
問題なのは、次々と職場を変えるフリーターや、そもそも働いていないニートの方です。正社員として長期間1カ所に所属することに、「逃げられない」という恐怖心を感じます。
再就職を考える主婦の方
長らく仕事から離れていた主婦(主夫)の方も、再就職の腰が重くなります。立派に育児と家事をこなしてきましたが、家という限られた空間で長い期間過ごすと、外の世界に怖さを感じてしまうものです。
社会から断裂された専業主婦(主夫)の感覚は、経験しないとなかなかわからず、同じ立場の人がいないと気持ちを分かち合えないのも怖さの原因です。
仕事から長く離れているため、体力や能力への不安もあるでしょう。ブランクが長ければ「就職活動をしても、門前払いされるのでは…」という恐怖心もあります。
『働くのが怖い』と感じる5つの原因
働くことへの恐怖心を克服するには、あなたの中にある原因を理解し、それに合った方法でアプローチするのが重要です。
そこで、働くのが怖い原因について解説します。あなたに思い当たる節はないか、考えながら読んでくださいね。
① 社会経験がない
人は未知なものに漠然とした恐怖心を抱きます。
社会経験がないと、働くイメージが具体的に浮かばず、「どうなるかわからない」という不安を感じるものです。
特に慎重な性格の人は不安感が強く、「働くのが怖い…」と行動にブレーキをかけてしまいます。
また、社会経験があってもブランクが長いと、「今の自分が働けるだろうか」と恐くなってしまうケースもあります。
あまりにも働くことから離れていると、時代の移り変わりや自分の変化を感じ、当時のように働ける自信を失ってしまうのです。
② 人間関係に不安がある
働けば必ず人とのコミュニケーションが必要です。そのため、「職場の人間関係を上手く作れるだろうか」という不安があると、働くのが怖くなってしまいます。
この場合、労働よりも人への不安や恐怖心が勝っているのですが、本人はそれに気付かず「何だかわからないけど働くのが怖い」と感じるケースが多いです。
特に、過去職場や学校で人間関係のトラブルを経験していると、心の中に傷が残り、人との交流が怖くなります。
「また嫌な思いをしたらどうしよう…」と、新しい人間関係に強い恐怖心を抱いてしまうのです。
③ 仕事能力に不安がある
「自分は職場でしっかり働けるだろうか…」という不安も、働くのが怖い原因になります。
元々自分の仕事能力に自信がなかったり、過去に仕事でミスをして辛い思いをしたりすると、失敗への恐怖心が強まってしまうのです。
真面目で完璧主義な性格の人ほど、仕事能力への不安は強い傾向にあります。「誰だってミスはある」「失敗したら次は気を付ければ良い」と前向きな感情を持てません。そのため、「失敗したら終わり」と極端な思考になり、働くのが怖くなります。
④ 精神的な症状
漠然とした働くことへの恐怖心の原因に、精神的な症状が関連している可能性もあります。
日常生活に困難さが出るほど不安や恐怖心が強い場合、不安障害を疑った方が良いかもしれません。
不安障害とはさまざまな対象に強い不安を感じ、日常生活に支障が出る状態のこと。精神疾患に分類され、場合によっては治療が必要です。
もしも、働くのが怖い原因が精神的な症状にある場合、「気持ちの問題」「気合で乗り切る」と、無理をして行動するのはおすすめできません。
負荷がかかり不安の症状が悪化し、二次障害を引き起こすリスクがあります。
⑤ 発達障害(ADHD)による不安
今までの社会経験の失敗が、発達障害に関係しているケースも考えられます。
軽度な発達障害や、学生時代の環境が良かった場合、発達障害の特性に気付かず大人になり、社会人になってから問題が次々と現れることがあるのです。
例えば、以下のような発達障害は、仕事に困難さを引き起こします。
- ADHD:不注意で仕事のミスが多い、過集中でチームと足並みを揃えられない等
- ASD:空気を読むのが苦手で、コミュニケーションに困難さが表れる、得意不得意の差が大きく、不得意分野での仕事がままならない等
発達障害の特性が原因で、仕事での失敗経験が積み重なると、働くことに強い恐怖心を抱いてしまいます。
社会人になってから一気に負荷がかかり、うつ病や適応障害など二次障害を発症する場合もあるため注意が必要です。
働く怖さを和らげる3つの方法
恐怖心がブレーキになっているなら、まずは働く怖さを和らげることから始めましょう。
あなたの不安や恐怖心を和らげる具体的な方法をお話します。
① 怖いと思うことを紙に書き出す
まずは働く怖さを視覚化しましょう。片っ端から働く上で怖いと思うことを紙に書き出すのです。
文章ではなく箇条書きで構いません。漠然としているなら、思い浮かんだ単語だけでも良いでしょう。
書き出す過程で、自分と向き合うことになります。静かな環境でじっくり気持ちを考えることで、今まで自覚していなかった原因が見つかるかもしれません。
また、文字に書き出して読み返せば、恐怖への問題点を何度も復習できます。思考がハッキリし、原因が見えて具体的な解決方法が思いつくかもしれません。
② 同じ境遇の仲間を見つける
孤独は恐怖心を強めます。
「働くのが怖いなんて自分だけだろう」と孤独になると、仕事ができない罪悪感や辛さが大きくなり、ますます働くのが怖くなるものです。問題を乗り越えるためにも、同じ境遇の仲間を見つけましょう。
今の時代はインターネットがあります。SNSや掲示板を利用すれば、仲間を見つけられるでしょう。
実際に会わなくても、ネット上で気持ちを分かち合うだけでも、ずいぶんと励まされるものです。
③ 誰かに「不安」なことを伝える
1人で悩みを抱え込むのは辛いものです。「働くのが怖い」という不安を誰かに聞いてもらいましょう。
この時、あなたの気持ちに寄り添ってくれる相手を選ぶのがポイントです。
家族や友達でも良いですが、返って厳しい意見を言われて辛くなるようなら、以下のような支援機関やカウンセリングを選ぶと良いでしょう
- よりそいホットライン(厚生労働省の補助金事業による無料の電話相談)
- こころのほっとチャット(NPO法人東京メンタル・スクエアが行う、専門カウンセラーによる無料のSNS相談)
- 各自治体のこころや暮らしの相談窓口
気持ちを話すだけで、不安解消効果があります。また、誰かに聞いてもらうことで、解決策が見出せるかもしれません。
働く不安を解消する5つの方法
働く不安を抱えたままでは、仕事探しを始めるのも難しいでしょう。
より良い職場と出会うために、働く不安を解消する方法を伝授します。
① アルバイトやインターンシップで社会経験を積む
働く恐怖心が未知なる不安ならば、アルバイトやインターンシップで社会経験を積むのが近道です。どんな形でも働く経験を積むことによって、仕事へのイメージが明確になり、不安が解消されます。
また、自分に合う仕事や環境がある程度わかるので、仕事選びへの不安も和らぎます。
短期のアルバイトは終わりが見えるため、働くのが怖いあなたにも働くハードルが低くおすすめです。
あなたが学生ならば、インターンシップにトライすると良いでしょう。気になる企業が募集していたら、勇気を出して応募してみましょう。職場の雰囲気や仕事内容がわかり、大きな安心につながります。
【関連】既卒でインターンシップに参加するメリットと正社員就職の注意点
② 資格やスキルを身につける
「こんな自分がちゃんと働けるだろうか…」という不安が強いなら、資格やスキルの勉強をして身に付けると良いでしょう。
独学以外の勉強方法をいくつか紹介します。
- ハローワークの職業訓練を利用する
- 派遣会社に登録し研修やセミナーを受ける
- 自分に合う資格を探し専門学校や通信教育を受ける
できることを増やすと自信につながり、仕事探しにも意欲的になれます。初心者歓迎の仕事もありますが、自分に強みがある方が、仕事の幅も広がるでしょう。
【関連】「勉強したいけど何しよう..」社会人に人気の勉強科目10選
③ 自分の敵職を正しく把握する
働くのが恐いからこそ、「どこでもいいから仕事を始めよう」ではなく、自分に合った職種を選ぶのが重要です。自己分析をしっかり行い、あなたの適職を正しく把握しましょう。
おすすめは就職支援サービスで行える無料の適職診断です。
質問に答えるだけで、あなたの性格や仕事の向き不向き、強みや改善点などがわかります。
④ 発達障害の不安があれば就職移行支援に相談する
発達障害や精神障害の診断があるならば、就職移行支援を利用する方法もあります。
就職移行支援とは、障害のある人への就労トレーニングから実習、就職活動サポートまで一括して行う支援機関です。非常に手厚いサポートをしてくれます。
ただし、障害福祉サービスですので、受給者証が必須です。自治体によって受給者証発行の手続き方法や取得条件が変わりますので、まずは窓口に問い合わせると良いでしょう。
⑤ 就職支援サービスで相談する
受給者証が取得できない人には、就職支援サービスがおすすめです。さまざまな支援を受けることで、働く不安が解消されます。
公的な就職支援サービスではハローワークがあります。職業訓練もしているので、資格取得やスキルアップの対応も可能です。
その他、民間の就職支援サービスも複数あります。民間の場合、強い業種や対象年齢に違いがあるのが特徴です。
働くのが怖いあなたにおすすめの就職支援サービスを、いくつか紹介します。
- ハタラクティブ(マンツーマンで就職支援、社会経験なし、未経験可の案件多数)
- JAIC(無料就活講座多数、入社後の3カ月以上定着率91.3%)
- リクらく(未経験可、学歴不問の案件多数、内定後も手厚いアフター支援あり)
情報と支援が多いほど、働くことへの恐怖心は和らぎます。
就職支援サービスを利用すれば、手厚いサポートで安心感を持って、就職活動ができるでしょう。
まとめ
働くのが怖いと思いながらも、この記事に辿り着いたのは、働きたい気持ちが大きくなっている証拠。
あなたは働くための第一歩を既に踏み出しています。
働きたい人を支援する機関は多数ありますので、焦らずにじっくり情報を集めつつ、不安や恐怖心と向き合いましょう。